健康な社員はやり過ごす
Web版には載っていないようだが、5日の日経に「社員の健康 企業の財産」
という記事が掲載されていて、なかなか興味深かった。
医療費負担の増大や従業員の自殺や過労死を企業の損失ととらえ、経営判断と
して従業員の健康増進を徹底しようとする「ヘルシーカンパニー」の考えを
導入する企業が増えているというのだ。
希望者に無料で歩数計を配って歩くことを勧めているライオンや、健康開発
センターを人事部から独立させた大阪ガス、健康診断で異常値が出た社員の数を
事業所ごとに順位付けし健康管理を競わせているワールドの事例などがこの
記事では取り上げられている。こういうことに目が向くことはいいことだ。
でも、健康管理を本気で徹底するつもりなら、労働時間や業務負担など、
労働環境そのものへ切り込まなければどうにもならんだろうなぁ、とも思う。
私自身もかつて勤めた二つの会社の両方で、働き過ぎやらくだらんストレスで
身体を壊し、それが退職を考えるきっかけの一つになった。最初の会社では
ぜんそくが半年間止まらなくなり、次の会社では結石で入院したのである。
身近な人間でも、過労が原因で発病し、1年近く入院した後、雀の涙の退職金を
もらって退職し、今は月一回検査入院しながらバイトで暮らしている人間がいる。
悲しいことに、生真面目に業務をこなそうとしたのがあだになったのだった。
働きすぎて、重い病気になったとしても、会社は何もしようとしてはくれない。
というか、医療費を払ってくれるぐらいはできても、失った健康を取り戻して
くれることなど、自分以外の誰かにはできないことなのだ。
健康を含む自分の状況に応じて、個人が労働の投入量を加減できるようになれば
一番いいと思うのだが、じゃあどうやればいいのかと言われると、うまい
アイデアや仕組みはなかなか浮かんでこない。
せいぜい、優先順位は健康>仕事であることを自覚した上で、「やり過ごす」術を
身に付ける、というのが個人の側の現実的な対応になるだろうか。
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