秘術=目くらまし
原稿買い切りで書いた書籍が順調に版を重ねる一方、印税契約で書いた本は
苦戦中の今日この頃(涙)、自分への戒めの意味も込めて、普段なら
まず手を出さない本を買って読んでみた。
ベタを狙っているのが見え見えのタイトルとペンネーム、スカスカに間を
空けた本文の行間、金銭欲丸出しの文章、そしてあとがきで「ご協力を頂いた
皆さん」としてずらずら挙げられた名前を見て、まあそういう内容だろうと
ある程度想像はついたのだが。
普通の人が本を書いて怖いくらい儲かる秘術
わらし仙人 総合法令出版
本書の著者は書店店主にして、メルマガで8000人の読者を持ち、一年間で
1万冊の小冊子を受注したという。まだ、ろくにパソコンのキーを打てない
うちからメルマガを発行したり、小冊子を商売にしたり、やっていることは
かなり面白い人のようだ。その営業魂は見習うべきものがある。
しかし、本書については評価できる内容ではない。
「儲かる」といったタイトルがついた、最近売れ筋の本を読めばわざわざ本書を
読む必要はないだろう。どこかで聞いた話が多い、といってもよいだろうか。
想像がついたというのは、そういうことです。
本書に欠落しているのはCS(顧客満足)の視点である。
強力に「売る」ノウハウを追求し、それで「普通の本をベストセラーに」仕立て
上げたとして、本人は満足だろうが金出して買った客はたまったものではない。
本書を読んで、この著者の次作を買おうという人はどれだけいるだろう。
また、お仲間というだけでろくに読まず、あるいは本当の評価とは別に推薦の
言葉を垂れ流す周辺の方々も、いかがなものか。
いや、本気でいいと思って推薦しているのなら何も言うことはないのだが、
本当にそうなのか?
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント