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2004.07.03

評論家を10倍楽しく見る方法

別に誰かの悪口や裏話の暴露を商売にしても、そこに読者を引きつける芸が
あれば、それはそれで構わないとは思う。というか、それを否定したら自分
自身の仕事を否定するようなものでもあるし。
だから、江本孟紀が何を言おうと別に構わないのだが、久々に著書を読んで
みたら、あまりに面白いことを書いていたので二点だけ触れてみる。

プロ野球を10倍楽しく見る方法 2004年版
江本孟紀著 日本文芸社

この本の中で、彼の定番となった中日・落合監督を腐すくだりがある。
ちょっと長いが引用すると

「監督はチームの補佐役で、マネジメントが大きな仕事である。監督してチームを
引っ張っていく場合もあるが、そのときには“男気”が必要である。
 男気とは何か。それは、自腹で飯を奮発するとか、人のために寸暇を惜しんで
何かをしたとかも必要だが人を認める言動ができるかどうかも大切な要素である。
 また、大物という定義は(中略)身銭をきって大盤振る舞いするとか、
そのような“大物ぶり”が伝わってくるような人物を指すのだ」

おそらくライターが江本氏の話を書き飛ばした少々わかりにくい文章だが、
要するに監督としてチームを引っ張るリーダーシップとは、自腹で飯を奮発する
とか身銭をきって大盤振る舞いするようなことだと読める。おいおい…。
江本氏といえば、92年から2004年まで参議院議員を務めたお人である。そんな
人物のリーダーシップ像としてはあまりにお粗末であり、こんなプアーな認識で
国政に関わっていたかと思うと愕然とするばかり。いや、あまり重要なところに
関わっていたとは思えないんで、別にいいけど。大阪府民は賢明でしたね。

もう一点はこんなくだりである。

「先日、落合内閣のヘッドコーチ兼ピッチングコーチに就任した鈴木孝政に
会ったとき、彼は落合についてこう言っていた。
『あの人は(監督として)大丈夫ですよ』
彼は突っ張ってそう言っているようだったが、鈴木程度では簡単に落合に
ひねられてしまう。だから私は鈴木に念を押した。
『孝政、落合とケンカをしてでも、ビシビシ自分の意見を言わないと、
いっぺんでやられてしまうぞ』」

あんたか、 余 計 な 入 れ 知 恵 を し た の は …。

ちなみに本書では、昨年広島から阪神に移籍した金本が活躍したのは自分の
アドバイスが効いたおかげと自画自賛している。その内容とはこうだ。

「いろんな有象無象が近寄ってきて、“ああでもない”“こうでもない”と
言ってくるから注意しなさい」

自分が鈴木コーチにとっての「有象無象」だとは、考えが及ばなかったようだ。

※鈴木孝政コーチの件についてよく知らない方は、前回をご参照下さい。

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