そろそろ来る頃だと思っていたら、やっぱり出た。
日経ビジネス9月13日号の「ひと烈伝」に落合監督登場である。書き手は浜田昭八氏。
職人タイプで監督向きとは思われていなかったこの人が、選手を前面に押し出し、
「目立たず、威張らず、怠らず」と自分は黒子に徹しながら、いかにチームを掌握し
動かしているかが冷静に分析されている。
現役時代からあらゆることの準備を入念に行っていたエピソードや、「日本一を
目指す」など、話題になった強気発言を他の新人監督への「口撃」の視点から
読み解いているあたりが面白い。
最後にマスコミやOBとの関係の悪さに懸念を表明して、記事は締めくくられている。
確かにくだらぬ要因で落合監督の立場が危うくなるのは一ファンとして心配では
あるのだが、一方でこういう記事を見るとマスコミやOBには嫌われたままで
別にでいいじゃん、とも思う。
記事が消されたときのために、一部を引用しておこう。
中日の戦いぶりについては、別の機会に譲るとして、今回は落合の試合前の動きに
ついてだけ記しておきたい。それは打撃練習にことのほか目を光らせているという
ことだ。主力選手だけでなく、控え選手がバッティングケージに入っても後ろから
アドバイスの声を絶やさない。
(中略)
他チームの監督の多くはこの時間、何をしているか。ダッグアウトのベンチに腰を
落ち着けて、タレントまがいの評論家やベンチリポーター、担当記者たちと他愛も
ない会話を繰り返しているのが常なのだ。
(毎日新聞「六車護のスポーツ万華鏡」9月16日)
「落合監督はマスメディアへの対応が悪い」という批判がよくなされる。
しかし実態がこういうことなら、メディアなんか後回しにして大いに結構というものだ。
以前ラジオ実況で「マスコミに対応しないのは、その後ろにいるファンを無視する
行為」と言った阿呆なアナウンサーがいたが、別にファンは応援チームについている
のであって、マスコミについているわけではない。
新聞や放送媒体は新規参入があまりない閉じられた世界で、多くの場合、他に
代わりがないからその媒体を視聴しているだけなのである。
主役はあくまで選手、チームであり、メディアは伝達者に過ぎない(もちろん伝達者と
しての重要な役割そ担っているが、それはまた別の次元の話である)。
少なくとも、「メディア軽視=ファン軽視」ではないし、自分たちの仕事がしにくいからと
いって、ファンをダシにして批判するのはやめた方がいい。世界の松下氏ね。
ドラゴンズが好成績を残した現在、自分が下したシーズン前の低評価などどこかに
置いて落合采配を賞賛している解説者や記者が少なくないが、この人たちは成績が
落ちた途端、今回の態度のようにまた、臆面もなくくるりと手のひらを返すんだろう。
でも、プロ野球の成績など相手のあることだ。良い時期も悪い時期もあるのが当然。
そんなことより、野球に真摯に取り組み選手が素晴らしいプレイを見せてくれる限り、
文句はいうかもしれないが、おいらは落合監督とドラゴンズを応援しつづけようと思う。
優勝が確定的になった今、あえて言ってみますた。
追記
先日の「うるぐす」で江川卓氏が落合語録を解析。
その中で、試合前に報道陣を相手にしないのは、その分の時間を選手との
コミュニケーションに振り向けるため。だから、時間がかかると予想していた
落合野球の浸透が1シーズンでできたのだと鋭く指摘。
江川には借金返済のための読売ヨイショ仕事は適当にやり過ごして、
真正面から野球評論をして欲しいと激しくきぼんするのだが…。