究極の電波力
30代に突入した頃から、秋が深まるにつれ調子が最悪になる。まずろくに声が出ない
ほどのどが腫れ上がり、やがて気管支が炎症を起こし喘息が目を覚ますという具合。
さすがに毎年のことなので、そのたびに近所の耳鼻科専門医から地域の総合病院、
そして大学病院までいろいろ回ったのだが、結局どこへ行っても良くはならなかった。
どこでもおざなりの診察して「じゃ、薬あげるから様子見て」攻撃で終わるのだから、
そりゃどこでも同じ結果になるわなぁ。
ところが、世田谷からは遠いが評判の良い有数の専門医で昨年診察を受けたら
「根本的な原因は鼻にありますね。鼻炎で鼻がつまり口呼吸となり、そのせいで
のどや気管支がやられているんだと思います」
と目からウロコの診察。本人はのどの痛みの方がつらいので気付かなかったが、
実際、蓄膿症&アレルギー性鼻炎の治療を受け、鼻呼吸を心がけたところ、
数年間続いた、慢性的なのどの痛みにもだえ苦しむ状況はなくなった。
今年も少しのどが腫れ油断はできないが、以前と比べればかな~り楽な水準である。
いや、病院&医師選びは本当に大事っす。
前書きが長くなったが、そういうわけで「鼻呼吸」「口呼吸」に興味を持つようになり、
「冷たいもの中毒と口呼吸と睡眠不足が、現代日本人の身体をむしばんでいる」
という帯書きのついた「究極の免疫力」(西原克成著 講談社インターナショナル)
という本を見つけ購入してみた。
著者紹介によると「人口歯根、人口骨髄の開発における第一人者」だそうである。
で、強引に内容を要約すると、ばい菌を取り込んでしまう口呼吸をやめ、冷たい
ものの摂取をやめて恒温動物らしく常に体温を保ち、直立歩行による重力ストレス
から身体を解放するため十分な睡眠を必ずとる。すなわち哺乳動物の一員として
生命の決まりを守った生き方をすれば健康に生きられる、ということだ。
この辺の主張は自分の経験を踏まえ、大いに肯定できる。
ただこの本、電波交じりといいますか…。なんでも、進化の過程ではサメが陸上に
上がって、哺乳動物型の爬虫類が発生したんだそうです。へ~へ~へ~。
そのあたりのことを詳細に追求する知識も気力もぼくにはないのだが、同じ著者の
別の本について、ここに詳しい書評があったのでご参考まで。
何より最悪なのは、本書は一般向けに書かれたと思われるにも関わらずやたら
専門用語が飛び交うわ、構成に脈略はないわで、素人にはさっぱり理解できない
代物である。「強引に内容を要約」したのはそういうわけっす。
なんとかしろよ編集者。アマゾンで「分かりやすい」とか書評を書いているやつは、
よっぽど頭がいいんでしょうな、きっと。
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コメント
初めまして、弓木といいます。
はっきり言いますが、自分は西原説にたいへん注目している者なので、ここでおっしゃられていることがよくわかりません。じっさい「口呼吸」の大切さを実感され、それでご自分の病気も治ったのに、なぜイチャモンが必要なのでしょう?
原始サメ(つまり軟骨魚類)が陸上動物の祖だというのは、科学的に間違いのないことで、これが「電波系」だとおっしゃるあなたは、動物の上陸についてどんな見解を持ってらっしゃるのでしょう?
「素人には理解できない」と言われるが、ご自分が理解できないことは勝手ですが、「自分が理解できないから相手がバカだ」という論法は、正気のものとは思えません。
人が批判できるのは、自分がわかっていることだけです。自分にわからないからといって、他人を中傷するのは、やめた方がよろしいのではありませんか?
投稿: 弓木暁火 | 2004.11.14 01:59