テスト投稿その3
戦後はモーレツな勢いで勤め人が増加し自営業者と家族従業者が減っていった時代で、その背景には産業構造の大変化があったと前回書いた。今日はこれを別の面からみてみよう。
勤め人が増えたのは会社が労働力を必要としたからであり、かつ自営業をやっているより有利な条件を社員に提供できたからだ。要するに、会社はどんどん成長して人手が足りなくなり、儲けたおカネで社員に自営業よりいい待遇を与えていった。で、勤め人の割合が急増していったというわけ。自営業自体、なかなか商売が難しくなったということもある。
これは街の小さなお店とスーパーを比較して考えるとわかりやすいよね。会社という大きな組織でやるほうが家族でやってるお店より色んなことができるから、近所にスーパーができると小さなお店は大きな打撃を受けてしまう。コンビニの店は小さいのに競争力があるけれど、それは全国に張りめぐらせた店舗網から膨大な情報を吸い上げ、効率的な仕入れと配送、そして強力な広告展開や販売指導などを行うことで作り上げたものだ。
つまり、優れた商品やサービスを提供するには大きな規模があったほうが優位に立ちやすかった。それに必要なおカネは相当なもんで、おいそれと個人が簡単にはじめられるようなものではない。ますます自営業には不利な状況ができていったわけだ。また、会社に所属するということに社会的信用とか経済的安定とか、単に働いて給料を得る以上のごほうびが付いてきたことも、勤め人の急増には大きかったのだと思う。(この辺はまだちゃんと裏づけをとっていないんだけど、そんなにズレてはいないだろう)
でも、会社の規模が大きくなると、仕事はいろいろ分かれ、必然的に専門化していく。そのときに起こるのが、専門家を自社で囲い込んでおくのは果たしていいことか、という問題だ。たとえば人事制度設計の専門家があなたの社内にいたとしよう。新制度を設計するときにはこの人の能力が不可欠だけど、それ以外のときはそんなに仕事はなかったりする。でも、その人をずっと雇っておくには高い給料をヒマなときにも渡さなきゃいけない。すると内部で囲っとくよりウデのいい外の人に頼んだほうがいいんじゃね、という誘因が起こる。
一方、専門的な能力を持った社員にとっても、会社の枠を飛び出していろいろな仕事をしたほうが自分の専門性をより高めることができるし、複数の会社から仕事をもらったほうが最終的な収入がグンと増える可能性もある。何より、面倒くさいことが多いサラリーマンとは違い、自分で仕事をコントロールできる一国一城の主という立場はとても魅力的だ。最近はこうしてIC(インディペンデント・コントラクター)やSOHO、フリーランスといったワークスタイルが成立しやすい素地ができてきた。
幸い、ホワイトカラー的な仕事であれば起業に要する資金はそれほどのものではない。家で仕事するなら、PCとネット環境ぐらいか。定期収入はなくなるけど、ちょっと昔の起業家のように失敗したら一生再起できないようなダメージはない。ダメだったら、またどこかの会社に入ってやり直せばいいだけだし(年齢によっては難しくなるが)。
また、小売業でもネットを使えば店舗のおカネや在庫をそれほど抱えなくていいから、昔とは比べ物にならないくらい低リスクで商売ができるようになった。リアル店舗とは違い全国を相手にできるから、モーレツに個性的な品揃えのお店でも成立する可能性がある。というか、どれだけ個性や特徴を打ち出してファンを獲得するかが勝負のカギで、自営業者が大手業者と差別化してやっていける余地は十分にある。
というわけでIC、SOHO、フリーランス、オンライン商人etc、農家や小さなお店の店主、建築業の一人親方といった従来の自営業のイメージとは異なる、新しいタイプの自営業者の存在がいつの間にか目に付くようになってきた。
| 固定リンク
|


コメント