昨日の明日である今日を支配するもの
そんなこんなで、某所の資料として、1999年に出版されたドラッカーの『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』を購入。必要な部分を読むだけでよかったのだが、面白かったので最後まで通読。
本書は21世紀に起こるマネジメントのパラダイム転換について書かれている。著者はこれまでのマネジメントの常識は覆され、先進国における少子化やコーポレート・ガバナンスの変容などが経営戦略の前提を変え、変化を機会としてとらえるチェンジ・リーダーだけが生き残るという。さらに先進国の生存と繁栄は知識労働の生産性にかかっているとし、知識労働者1人ひとりが自らをマネジメントする重要性について考察を進めていく。
つまり、21世紀に起こるであろう大きな変化の1つは、1人ひとりの仕事や生活の大変化であるかもしれない、ということだ。本書が出版されてから8年が経過した現在、その変化はすでに色々なところで観察できる。そのことに自覚的であるかどうかが今後、よりよく生きていく上でけっこう重要なんじゃないかな。ホワイトカラー・エグゼプション周りの議論など見ていると、本当にそう思う。こちらのテーマについては、またそのうち。
自らをマネジメントする方法についてもドラッカーは述べていて、自分の強みを知り、強みに集中すること等の重要性を指摘している。で、自分の強みを知る方法はフィードバック分析ただ1つとし、「私自身はこれを五〇年続けている」という。ドラッカーがその大切さを強調し、自ら五〇年も続けている方法と聞けば誰だって詳しく知りたくなるわけだが、具体的にどうやるかは簡単にしか書かれていない。おーい…。フィードバック分析の方法について、本書に書かれている内容は次の通り。
「何かをすることに決めたならば、何を期待するかを直ちに書きとめておかなければならない。そして九ヶ月後、一年後に、その期待と実際の結果を照合しなければならない。」
また、自分の強みなんて誰でもわかっているつもりだろうが、たいていが間違いであるとドラッカーは言う。確かにそんなものかもしれないね。ということで、自分の強みが何であるか、改めて過去の仕事を振り返りながら考えてみた。散歩しながらうだうだ考えていたら、今まで自覚していなかったところに自分の強みがあると気が付いた。
確かに、その強みに集中するようなことは長らくしていなかったなぁ…。ちなみに、それが何であるかは秘密だ。
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