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2007.02.25

ぼちぼち…

 なんとか2年越しの懸案が落ち着いたので、ぼちぼちこちらも復帰しようかと。まずは最近読んだ本など。

齋藤孝の速読塾』筑摩書房

「同時並行で10冊の本を手にしても、30分後にはその10冊のそれぞれについて、あたかも一冊丸ごと呼んだかのようにオリジナリティを持って解説できること」と本書は速読・多読の目的を位置づけた上で、2割読んで内容の8割を理解する「2割読書法」など、著者が実践するさまざまな方法を提示している。

 要するに、一冊の本を最初から最後まで完璧に読む必用なんてまったくないし、摂取する情報に欠落があったってかまわない。それより「何かと何かを関連づけ、自分の経験とすりあわせてオリジナルの何かを考える、あるいはアイデアを出せることが重要」との考えに著者は立脚して、その方法論を追求しているわけですな。

 なので「速読」と題していても、その手の手引き書によくある目の筋肉を鍛えるといった類の話はそんなには出てこない(著者はその辺の話を否定しているわけではなく、役に立ったと言っている)。それより、どうやって使える知をゲットし、どうやって実際に使うかということにポイントを置いている点に本書の特徴がある。

「表現するチャンスを逃さない」、「自分がゲットした概念を間違っていてもいいから使ってみる」、「引用文を必ず一文選ぶ」等々、速読というより「本を使う」ための実践的な方法論として面白いっすね。

 でも、依頼を受けてから1時間で芥川賞作品を2冊読んで新聞にコメントしたというエピソードが出てくるんだけど、その内容は果たしてどのようなものだったのかな。自画自賛するならそこまでちゃんと書かないといかんよね。

 というわけで本書は面白く読んだのだけれど、速読周辺の世界はなんというか、うさんくさいのが多いなぁ…。

 

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