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2007.07.09

小咄のテクニック

 昨日つくった茄子の味噌汁が、今晩にはもう味が変わっていた。すっかり暑くなったが、あまり季節感を感じないのは他のことで頭がいっぱいだからか。

必笑小咄のテクニック』(米原万里 集英社現代新書)
 著者があとがきで記しているように、方法論で分類した小咄集。とはいえ方法論を知ればすぐできのいい小咄をつくれるというわけもなく、やはり現実を笑いのめす意欲の有無が大事なのだと、ロシアあたりの小咄を見るにつけ思うのだった。

 本書の出版のために雑誌連載した原稿に加筆訂正をしているさなかに著者の母の容体が急変し、死去。同時に本人も悪性腫瘍に冒されていることを知る。死期の迫った時期に笑いがテーマの本を手がけ最後の著作になったことは、無責任な第三者からみれば駄洒落と下ネタを愛したこの著者らしいと言えるが、実際の心中はいかばかりだったのか。

 米原さんの著作では、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』がよかったなぁ。

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