イチロー三昧
何度も書くけど、あちぃ。無理せずたっぷり午睡。本日は昼寝三昧、そしてイチロー三昧。
『イチロー素顔の青春』(吹上流一郎 ラインブックス)
1995年7月、つまり94年にイチローが初の首位打者を獲得した翌年に刊行された本の加筆・修正版。なんというか、履歴書をなぞったような原稿。
『イチロー物語 』(佐藤健 毎日新聞社)
これも1995年に発刊された、いわば初期イチロー本。描かれているエピソードは『素顔の青春』とだいぶ被るが、新聞記者らしい文章と展開で読める。
『溺愛―我が子イチロー』(鈴木宣之 小学館)
いわゆるチチロー本。ある意味、この父親は自分の人生の重要な一時期を息子のためにくれてやったようなもの。息子は不世出の打者へと成長してけれど、一人の人生としてはどうだろね。
『イチローに教えたこと、教えられたこと―高校時代の恩師が語るイチローの原石時代』(中村豪 日本文芸社)
こちらはイチローの母校、愛工大明電高校野球部監督によるイチロー思い出話。まだ入団したての頃、二軍落ちしたときや打てないときにイチローから相談の電話がかかってきたそうで、一見、孤高に見えるイチローもこういう人たちに支えられているのだなあ。
『ICHIRO―メジャーを震撼させた男 』(ボブ・シャーウィン 朝日新聞社)
2001年、メジャーに渡ったイチローの大活躍を丹念に追った、シアトル・マリナーズ担当記者によるレポート。アメリカ人がイチローからどんなインパクトを受けていたのかがわかる。
『イチロー・オン・イチロー』(小松成美 新潮社)
メジャー1年目のシーズン終了後と、それ以前に行ったインタビューの記録。このインタビューアーは相当イチローに信頼されていると感じる。
『イチロー革命』(ロバート・ホワイティング 早川書房)
アメリカ人の視点から野球を素材に日本文化に切り込む作品で知られた著者による、日本人メジャーリーガーのレポート。当初、日本野球というテーマには「うんざりしはじめ」「吐き気さえもよおすようになっていた」が、出版社からのオファーはアメリカにいる日本人がテーマだったので、何も知らないアメリカ人のために本書を執筆する気になったという。でも、描いている対象が在メジャーの日本人になっているだけで、著者が物事を斬る枠組みは『和をもって日本となす』の頃と悪い意味で変わらない。おいらの記憶が確かなら、ですが(確かめたいが手元に本がない。これはそのうち)。過去の著書が日本野球のあり方に影響を与え、それで変化が生じた部分もあると思うのだけれど、著者自身はその変化をとらえきれていない感がするな。
『イチロー 262のメッセージ』(「夢をつかむ イチロー262のメッセージ」編集委員会)
2001年から2004年にかけてメディアで報じられたイチローのコメントを262のシンプルなメッセージにまとめ、簡単な解説を加えた一冊。よく売れているみたいです。でも、仕事としては単に色んな媒体の記事から発言を拾って集めただけに過ぎない。一応、解説が付け加えられてはいるが、その背景が必ずしも書き込まれているわけではないので、読者が言葉の上っ面をなでる結果になるであろうメッセージもちらほら。
『イチローUSA語録 (集英社新書)』(デイヴィッド・シールズ編 集英社新書)
こちらもメディアが報じたイチローのコメント集だが、アメリカの媒体で掲載されたコメントをアメリカの作家が選び集めた点と、元記事の英語が掲載されているところが異なる。見開きの右ページが日本語、左ページが英語。
とりあえず、手近の書店と図書館で入手できたイチロー関連本の範囲はこんなところ。イチローが世に出る以前を知るには『イチロー物語 』、大リーグ挑戦という節目を中心にイチローの考え方を知るには『イチロー・オン・イチロー』がよいかな。ほかによい本があったらぜひご教示くださいませ。
たぶんオールスターでMVPをとった今シーズン後も何冊かイチロー本が出版されると思うけど、これだけたくさん出版されていると差別化が難しいっすね。
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コメント
はじめまして。私もイチロー革命は読みました。内容はあまり深くなく、野球ファンなら知っていることばかりでしたが。
私もイチロー革命の書評を書いています。よかったら読んでみてください。
投稿: 三毛ネコ | 2008.03.23 13:18