« モデル原稿 その4 | トップページ | お知らせ »

2006年4月19日 (水)

モデル原稿 その5

宮内さんが大学院に通いはじめたのは、仕事に行き詰まりを感じたからという。
「フリーになってからずっと、必死でいただいた仕事に取り組んできたわけですが、あるとき、ふと自分が生み出している価値はなんだろうと考えてみたら、どうも『情報加工職人』的になっているなと思いまして。要するに他人に聞いた話をうまいこと文章にまとめてはいるけれど、まだ誰も知らないような事実を掘り起こし、何らかの知識創造に貢献するような仕事をどれだけ手がけたかと言えば、正直、大したことはない。

もちろんライターですから情報加工の仕事は大切だし、引き続きウデを磨いていかなきゃいけない。でも、そこそこうまく文章をまとめるだけなら代わりの人間はいくらでもいるし、これだけ自分で情報発信する人が増える中、漫然と他人の話を聞き書きするだけでいいのか、という問題もある。何より、高度で新しい仕事にチャレンジしていかなかったら自分が面白くないし、何のためにフリーになったのかわからなくなってしまいます。

そんなわけで、この4月から『「雇われない働き方」研究室』というサイトを立ち上げました。ここではインディペンデント・コントラクターやSOHO、フリーランスなど従来のイメージとは異なる新しいタイプの自営業の方のロングインタビューを50人、100人の単位で蓄積していき、現在起こりつつあるワークスタイルの変容を記録することを目的にしています。さらに集積した情報をベースにこのテーマの研究を進め、その社会的意味を明らかにするところまでもっていきたい。

こういう自立的・自律的なワークスタイルに関心を持ったのは、実はインドをブラブラしていた10年以上前のことでした。あの辺を旅行している人は、日本人だと無職やフリーターばかりでしたが、ヨーロッパから来ている人たちは会社勤めでも1ヶ月近く休暇を取ってきていたり、今は会社に所属していなくても自分を職業で語れる人が少なくなかった。あんな風にわりと自分に合わせて働ける世の中だったら居心地良さそうだなぁと、素朴にうらやましく思いましたね。

で、最近、日本でも自分に合ったワークスタイルで働く人たちの活躍が色んな職種で見られるようになってきたけれど、詳しい実態はよくわかっていない。というか、みんな個別的だから、一くくりにして語るのが難しい。であれば、こうした人たちを取材・執筆し、50人、100人の単位で情報を蓄積していけば、それ自体興味深いコンテンツになるだろうし、仕事で悩んでいる人たちの参考になるモデルを提供できるかもしれない。その結果として、少しでも居心地よく働いていける人が増えたら最高です」

|

« モデル原稿 その4 | トップページ | お知らせ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: モデル原稿 その5:

« モデル原稿 その4 | トップページ | お知らせ »