人事IC 田代英治 さん⑤
ICであり続けるか、事業として拡大するか
田代さんが独立したのは、上司に独立の意思を伝えてから約1年後の2005年6月だった。
「会社と話し合って、人事業務の繁忙期の4~5月までは残り、6月に独立と決まりました。本当は独立準備をしっかりやりたかったんですが、会社の仕事が忙しかったのでブログの更新ぐらいしかできませんでしたね。もちろん、残りの有給を全部消化するなんてマネをできるわけがありません。退職するといっても、業務委託契約が続くのですから。
退職の日、一応花束はもらいましたが、私は川崎汽船を辞めたとは思っていません。辞めたと思う時がくるのは、業務委託契約が終わった時点になると思います。川崎汽船からの収入は、サラリーマン時代の半額です。独立して1年間の総収入は、ほぼ前年の年収とイコールになりました。でも、今は売上げについてはあまり意識していません。
生活は、以前よりメリハリがつくようになりました。サラリーマンのときは残業で帰宅が遅くなり、風呂に入って寝るだけのことが多かったですが、今は早く帰宅して家でご飯を食べる回数が増えました。あと、交流会や飲み会の回数が多くなって、こういう日は12時過ぎの帰宅になります。
現在の生活パターンは朝6時に家を出て、1時間半かけて霞ヶ関にある事務所へ向かい、午前中はそこで仕事をしていることが多いですね。午後の予定はその日によって異なります。今はサラリーマンのときと違って、自分ですべてコントロールできるのが何よりです。自由な社風の会社でしたが、やはり組織では完全に自分のペースで、とはいきません。
ライフワークバランスは以前よりよくなったと思います。家族がどう思っているかわかりませんが、家族とのコミュニケーションは増えており、今の働き方の満足度は高い。自分のやるべき仕事の方向性も見えてきました。
長期的な将来の展望としては、現在のようにICであり続けるのか、それとも事業として大きくしていくのか、いつか方向性をはっきり出さないといけないと思っています。いずれにせよ、業務のコアははっきりしています。人事業務のコンサルティングと教育研修。それをどう広げていくのかが、当面の私の課題です」(了)
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