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2006年11月 1日 (水)

CIO代行・補佐 三木康弘さん③

戦略系コンサルで3年間に11のプロジェクトに関わる

 会社員生活の総仕上げとして入社したのが、業界では名の知れた戦略系コンサルティングファームである。

「前のコンサル会社では『いいシステムを頑張って導入してね!』という仕事でしたが、戦略系のこの会社では『そもそもシステムを導入していいのか?』、『システムを入れる以外に方法はないのか?』といった地点からはじまる、雲をつかむような仕事になりました。話をする相手は経営者・経営幹部クラスで、課題も非常に難しい。

何でもかんでも情報システムに落とし込むだけではつまらないですから、自分の得意技を封じても自分は動けるのかどうかを試したかったんです。決め球を封印して、果たしてどこまでやれるのか。もっと自分を鍛えよう、もっと厳しくしようということで。

 入社して最初の仕事は年商数百億円規模の食品会社の業務改革で、製造部門や経営企画部門の業務改革仮説を立案し、実行することを半年ぐらいやりました。はっきり言うと、この仕事は失敗でした。やはり決め球を投げないとコテンパンに打たれることがよくわかった。お客さんに提案する前の、社内のマネージャーと話している段階でことごとく打ち返されてしまったんです。これじゃいかん、と思いましたね。

 次は日本有数の巨大メーカーで全社情報システムの中期計画作成のお手伝いをしました。世界で活動している会社なので億単位のプロジェクトを世界のあちこちでやっているんですが、それを一覧にしてながめて見ると『こっちのシステムをつくるならこっちのプロジェクトはいらないじゃん』といったことが出てくるんです。そうやって一つひとつのプロジェクトをみるのではなく、山ほどあるプロジェクト全体をどう調整するかという仕事をしていました。

 で、ここでもコテンパンに打ちのめされました。今度はお客さんにやられました。やはり、日本有数の企業の経営企画は非常に頭のいい人たちばかりで、簡単には歯が立たなかった。しかし、それでも必死で頑張っていると、その後のプロジェクトではだんだん成果を出せるようになりました」

 この会社に勤めた3年間の間に、三木さんは11ものプロジェクトに関わった。クライアントは日本有数の企業からベンチャー企業、あるいはメーカーからサービス業までさまざまで、内容も新規事業の戦略立案や倒産会社の再生支援等々、非常に幅広かった。

 三木さんは情報システムに関してはプロとはいえ、前職まではいわゆるMBA的なスキルがあったわけではない。どうやって仕事に必要なスキルを身につけたのだろうか。

「死ぬほど勉強しました、本当に、もうメチャクチャ。上司から『来週、〇〇社の役員に会う機会があるから、それまでに提案書を作っておいて』と言われれば、全然知らない業界だったとしても、膨大な量の資料を集めて『この会社の課題は何だ?』、『この業界の問題点は何か?』と短期間で調査・勉強しなければならない。そうやってずいぶん鍛えられましたね。

 他にも、いきなり『デューデリ(デューデリジェンス:買収対象企業の価値を適正に評価・算定する業務)やって!』と言われ財務を必死で勉強するなど、とにかくやりながら勉強しました。色々やったおかげで、経営課題なら一通りわかるようになり、クライアント企業の役員クラスとも普通に口をきけるようにはなりました。とくにCIOから依頼される仕事が多かったので、CIOに課せられた経営課題の中身はもちろんですが、社長や現場との関係、根回しの技術など、彼らの考えていることもだんだんわかるようになりました。

 当時は土日も休日もありませんでした。週の半分くらいは帰宅しないで、会社の自分のブースで寝袋かぶって寝ていました。週に3回、出張で地方に通っていた時期は、移動時間以外は寝ていなかったんですよ。あの時は1日2時間くらいしか寝られなかったかな。」

 そこまで激烈に働くモチベーションはどこにあったのだろうか?

「誰かからそれなりに期待されているとわかりましたので、ちゃんとお客さんの役に立ちたい、ということですね。本気で困っているお客さんがいる。だったら、助けてあげないと――。だから、この頃のモチベーションはお客さんにほめられることぐらいですよ。別にキャリアアップのためでもなく、お金のためでもない。もちろんそれらのことも考えますけど、そんなのオマケみたいなもんです。お客さんに喜んでもらいたいという一心でした」

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