« ITコンサルタント 柄本和夫さん② | トップページ | ITコンサルタント 柄本和夫さん④ »

2007年1月13日 (土)

ICコンサルタント 柄本和夫さん③

日本企業と外資系企業の違いとは?

 コールセンターの立ち上げという従来とは異なる業務を与えられ、柄本さんは奮闘した。

「当初、苦労したのは英語でした。ロンドンと電話会議を行ったり、シンガポールから電話がかかってきたりするのですが、何を言っているのかなかなかわからない。『今の話はこういう意味だよね』と何度も確認したり、『その要件はメールで送って』と頼んだり、あらゆる手を使って懸命にコミュニケーションをとりました。さすがにそのうち慣れてきて、最後は英語でケンカできるようになっていましたね。

 コールセンターの立ち上げで注意したポイントは、まずヘルプデスクにお客様から連絡のあった内容をエンジニアに間違いなく伝わるようにすること。そしてトラブルログ(障害の記録)を間違いなくソフトウェアに記録することでした。

 実はログの記録は非常に重要な仕事で、エンジニアがどれだけ働いているか、あるいはトラブルのスタートから終わりまでどのように進んだかを見ることで、エンジニアの勤怠管理が行われている。つまり、その内容によってはエンジニアの人数が減らされることにつながるわけです。しかし、目標基準はエンジニア1人あたり1日3件とされていましたが、現場に行ってすぐ直せる仕事もあれば、サーバートラブルのように手間がかかる仕事もあり、正確に測定することは困難です。ちゃんと報告しないエンジニアや、『そんな稼がない仕事に人数を投入する必要があるのか』という日本の重役の無理解もあった。

 そのことをイギリス本社の重役に相談すると『そんなことは知ったことではない』といわれました。彼らは良くも悪くも成果主義で動いていて、測定可能な数字で判断する。そのための数字が欲しいだけなんですね。いい加減な数字を出したら首切りが始まってしまいますから、この頃は適切な数字をつくるのに必死でした。数字をつくるといっても嘘をつくわけではありません。すべてのトラブルを最後まで追いかけて記録する、ということです。当時は1日13時間程度働いていたでしょうか。

 この会社に勤務したおかげで、外資系企業と国内の会社はまったく異なる仕組みで動いていることを肌で感じられました。例えば、日本だと『サービス』と言って本来、やる必要のないことまで無料でやってあげたりしますが、外資系企業ではそういった意味での『サービス』は一切ない。ヘルプデスクも9時~5時と決まっていて、5時を過ぎたらピタッと受付をやめ、以降の対応は有料になる。まさにSLA(Service Level Agreement サービス提供者が利用者にサービスの品質を保証する制度)の世界です。

 そうした外資系のやり方は、そういうものだと一度飲み込めればやりやすい。とくに保守会社にとってはそうですね。逆に、1回でも『無料サービス』してしまうと、『前はやってくれたのに』という話になってしまいますから」

|

« ITコンサルタント 柄本和夫さん② | トップページ | ITコンサルタント 柄本和夫さん④ »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ICコンサルタント 柄本和夫さん③:

« ITコンサルタント 柄本和夫さん② | トップページ | ITコンサルタント 柄本和夫さん④ »