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2007年9月25日 (火)

HRD(人材育成・採用)コンサルタント 阿部淳一郎さん①

33歳にして3500名の採用面接と、350本の講演・研修を行ったIC

Photo_3  阿部淳一郎さんは企業での採用・育成業務と並行して企業の研修トレーナー、大学での就職支援講師などの講師業を行っている
ICである。年齢はこの9月で33歳を迎え、本ブログにご登場いただいたICの中で一番若いが、これまでに企業の面接官として採用面接を行った人数は約3500名。一方、講師としても今年の1月から8月までの間だけで約100本の研修・講演を行った売れっ子である。

阿部さんのキャリア形成はここまでに掲載したICとは大きく異なる。これまでに登場したICは会社員時代に抜きんでた実績を残し、それを背景に独立した人が多いが、阿部さんはICになってから実績と経験を培っていった。つまり、失礼ながら会社員時代は必ずしも抜きんでた存在ではなかったのである。

では、どうやって現在の状況をつくったのか。それを知るには阿部さんの子供の頃までさかのぼる必用がある。

「僕の母はいわゆる教育ママというヤツで、地元の進学校、六大学のどこかへ行かなければ人間じゃない、という感じでした。ほめられたことなんか一度もありません。テストで95点をとると『なんであと5点が取れないの!』と怒られ、100点とっても『とれてあたりまえなんだ』と言われる。つらいときに『つらい』と愚痴ると、『つらいなんて感情をもつことが先生にバレると内申点が落ちるだろ!』と怒鳴られる。今はすっかり和解していますが、母からそんな扱いをうけたので高校に上がる頃は大人への不信感で凝り固まっていました。

 今考えると、自分がいかに生意気だったか…、ということなんですが、当時は、高校の先生にも納得がいかないと思うことばかりでした。文系コースなのに生物の試験に東大の入試問題を出してきたので『こんなの意味がない』と反発したら、いや必用だからと言うだけでちゃんと答えることができない。そんなこんなで、高校に入ってからはまったく勉強しなくなりました。成績は文字通りのビリ。当然、浪人です。

 ところが、浪人時代に大きな出会いがありました。代々木ゼミナールのカリスマ講師、西谷昇二先生です。すごかったのは、まず見た目ですね。芸能人のようにビシッとしたスーツを着て、腕にはおしゃれな時計をして、今で言うちょいワルみたいな感じでした。授業も型破りで、アンパンマンの歌を歌い出したり、さまざまな出会いによって自分がどれほど変わってきたか熱く語ったりする。若干、自己啓発系が入っているといいますか。

 それでいて、教え方もものすごくうまかった。野菜を与えてくれるんじゃなくて、野菜の作り方を教えてくれる感じとでもいいましょうか。なぜそういう答えになるのか、原理原則から教えてくれるんです。教え方と夢を語るバランスが素晴らしかった。それまで大人はみんな格好悪いものだと思っていたところに、こんな格好いい大人もいるんだ、生きることは素晴らしいんだと教えられたときに、すっかり価値観が変わりました。そして『勉強はこうしてやればいいんだ』とわかった瞬間、一気に全国ランキング入りしました。

 生徒はたくさんいますから直接お話したことはないのですが、西谷先生を見て『自分もああなりたい』と思ったこと、そして『人間ってこんなにも変われるんだ』と実感したこと。それが僕のすべての原点です」

(プロフィール)
1974
年神奈川県生まれ。社会人向け予備校、専門学校勤務を経て2004年にICとして独立。大手人材関連企業やIT企業で新規事業開発、採用・育成業務を請負ながら、大学の就職支援講師、企業の研修講師等を行っている。採用面接官として面接した人数は約3500名、キャリアコーチングの経験人数は約3500名。講義、講演、研修回数は約350本にものぼる。
http://www.gtabe.info/

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